東京アニメアワードフェスティバル2025

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TAAF2023 コンペティション部門 ノミネート作品決定!

©Signe Baumane
©Mikrofilm and Vivi Film

 

毎年、世界各国から優秀な作品が多数応募されるTAAFのコンペティション部門。本年度の長編アニメーションは26の国と地域から応募された31作品(昨年31作品)より、4作品がノミネート。短編アニメーションは63の国と地域から応募された872作品(昨年874作品)より、29作品がノミネートになりました!

一次選考委員のご紹介は下記からご覧ください。

TAAF2023 一次選考委員

フェスティバルディレクター・竹内孝次 コメント

本年度の作品群は、新型コロナウイルス感染症と戦争という、ふたつの大きな影が世界を覆っていることを感じさせます。これはクリエイター達の反応として自然なことです。しかしそのような中にあっても、それらを乗り越えて行こうというエネルギーを感じさせてくれるのは嬉しいことです。本年度はこれら映像の制作者たちも来日してくれることになっています。彼らの声を届ける企画も立てていますので、映像と共に楽しみにしてください。

長編アニメーションノミネート作品

本年度の作品群の特徴をひと言でまとめると「歴史」ということかなと思います。私史、家族史、世界史と規模と拡がりは様々ですが、時間の流れの中でものを考えさせる作品たちです。
4作品とも、ストップモーションあるいは手描きという、今の主流である3DCGとは違う手法で作られているというのも興味深いですね。丁寧に作られていることが、作品の楽しさと共に感じられて来ます。

フェスティバルディレクター・竹内孝次

 

お祖父さんの悪魔たち
My Grandfather’s Demons

監督:Nuno Beato
ポルトガル・スペイン・フランス/1時間25分/2022年

≪フェスティバルディレクターからのコメント≫
主人公のロサは、都会の成績主義の職場の成功者。しかし一方ではストレスで爆発寸前です。その彼女が、亡くなった祖父の遺産である田舎の農場の後始末に出かけます。
3DCGで都会部分の描写が始まり、モダンさを感じさせ、祖父の農場からはストップモーションという見るからに素朴な様相に一変します。祖父とうまく行かなかった母親とロサ。そして、祖父の抱えていた問題。村人から向けられる排他的な目。それらが一挙に解決する結末へと進みます。ドラマとして楽しんでください。


©Signe Baumane

私の結婚と恋話し
My Love Affair with Marriage

監督:Signe Baumane
ラトビア・アメリカ・ルクセンブルク/1時間48分/2022年

≪フェスティバルディレクターからのコメント≫
絵本のような温かみのある絵で作られたアニメーションです。旧ソビエト連邦に生まれた主人公ゼルマの半生がモノローグで語られます。移り住んだ場所、そこでの体験、そしてなによりも恋愛やSEXについての彼女特有のものの見方が、時々科学的解説が飛び込んだりして、面白おかしく伝えられます。「あれあれ、彼女はそんなことを考えてるんだ」と驚くことも度々です。彼女が一般的な女性なのかどうか分かりませんが、物語りというより彼女自身の講義を受けているような感じで映画を最後まで見てしまいます。

犬とイタリア人お断り
No Dogs or Italians Allowed

監督:Alain Ughetto
フランス・イタリア・ベルギー・スイス・ポルトガル/1時間10分/2022年

≪フェスティバルディレクターからのコメント≫
1900年頃のお話しです。制作者の祖父である、イタリア・アルプスの貧しい村で育った男の一生です。家族史ですが、大戦で徴兵されたり、スペイン風邪に村の半分が死んでしまったりと、史実が織り交ぜられていて、世界の潮流がドラマの中に見えて来ます。時々画面に入り込んでくる作者の手は、「私のお祖父さんの話しなんですよ」と、嫌味なく私たちに語りかけてくれて、これも親近感を覚えます。過酷な暮らしぶりを悲壮感なくユーモアたっぷりに語り、当時使われた道具類も、どうやって使っていたかを含め丁寧に再現されていて、実写以上に生きた実感の詰まった映画になっています。


ⒸMikrofilm and Vivi Film

ティティナ
Titina

監督:Kajsa Næss
ベルギー・ノルウェー/1時間30分/2022年

≪フェスティバルディレクターからのコメント≫
探検家アムンゼンとイタリア人飛行船乗りノビルの友情と人生を描いた物語りです。飛行船で北極点に到達するという史実を基に、冒険旅行を共にした二人の功名心。そして嫉妬心からの喧嘩別れ。と、こう書くと男のエゴがぶつかり合う嫌なドラマみたいに思えるんですが、そうではありません。とにかく画面が綺麗なんです。イタリア、ノルウェーやヨーロッパの街並みあり、北極という銀世界あり。それらが時にはデザイン的に処理され、美しい画面になっています。これは大画面で観るべきです。

 

短編アニメーションノミネート作品

スロット1 子供を含む全世代向け

≪フェスティバルディレクターからのコメント≫
本年度の特徴は手描きだけでなく3DCGであっても、どことなく手触りの温もりを感じさせる作品が多いことでしょう。ご覧になれば、きっと主人公に共感していただけると思います。人間だけでなく、可愛いクモやキツネ、そして何なのかよく分からない生きものも登場します。
今回の学生賞受賞作品は、このスロットであわせて上映します。奇妙でおおらかな作品ですよ。
TAAF2023学生賞 『サカナ島胃袋三腸目』の詳細はこちら

  • 月にスウィング
    Swing to the Moon 

    監督:Marie Bordessoule, Adriana Bouissie, Nadine De Boer, Elisa Drique, Chloé Lauzu, Vincent Levrero, Solenne Moreau
    フランス/6分40秒/2022年
  • 私たちの島
    The Island of Us

    監督:Yu Yu
    台湾/19分07秒/2022年
  • ブーム
    Boom

    監督:Gabriel Augerai, Romain Augier, Laurie Pereira De Figueiredo, Charles Di Cicco, Yannick Jacquin
    フランス/5分36秒/2022年
  • キツネの女王
    The Queen of the Foxes

    監督:Marina Rosset
    スイス/8分50秒/2022年
  • 世界一つまらないおばあちゃん
    The Most Boring Granny in the Whole World

    監督:Damaris Zielke
    ドイツ/7分02秒/2022年
  • 遊び場
    Playground

    監督:Samaneh Fazlollah Asadi
    イラン/8分16秒/2022年
  • シエラ
    Sierra

    監督:Sander Joon
    エストニア/15分57秒/2022年

©ESMA
©Ecole des Nouvelles Images
©Damaris Zielke
©Kanoon (Institute for the Intellectual Development of Children & Young Adults) all rights reserved.
© Square Eyes

スロット2 小学生くらいからの全世代向け

≪フェスティバルディレクターからのコメント≫
老いること、戦争、ヴァーチャルゲームを取り上げた作品があります。世界のどこであっても関心の高い事柄なんですね。それらを心に浸み入るように語ってくれています。字幕を追わなければならない作品は数点あります。しかし、小学校3年生くらいなら楽しめると思います。エンドマークを見終わって、一瞬「えッ!?なんだったんだろう?」と思うかもしれません。でも、次の作品までの暗い中で、「ああ、そういうことか」と納得の笑みが浮かぶと思いますよ。

  • 生活
    Lives

    監督:Xu Ran
    中国/1分48秒/2022年
  • カナリア
    CANARY

    監督:Pierre-Hugues Dallaire, Benoit Therriault
    カナダ/12分03秒/2022年
  • 最後の願い ーエトガル・ケレットの“この金魚に何を頼む?”よりー
    One Last Wish, Based on “What, of this Goldfish, Would You Wish?” by Etgar Keret

    監督:Galia Osmo
    イスラエル/10分20秒/2021年
  • マラカブラ
    Malacabra

    監督:Marylou Bort, Mathilde Bourgles, Hugo Florin, Jeremy Guibert, Valentine Miniot, Vincent Nogues, Axel Prukop, Pierre Segonds
    フランス/7分04秒/2022年
  • スー
    Soo

    監督:Roya Salimi
    イラン/6分41秒/2022年
  • 象のエレジー
    Elegy of Elephant

    監督:Lu Sijie
    中国/8分29秒/2022年
  • 緩んだ糸
    Loose Threads

    監督:Chayanid Siripaiboolpong, Jessieca Junesha
    シンガポール/1分42秒/2022年
  • Samurai Frog Golf
    Samurai Frog Golf

    監督:Brent Forrest
    日本/3分48秒/2021年
  • 待ち続けて
    Awaiting

    監督:Yu-Ching Chen, Cai-qi Ding
    台湾/5分27秒/2022年
  • シャイン
    Shyne

    監督:Fiona Bulet, Auriane Diaz, Ananda Gay-Laignel, Véronique Marazzi, Clara Pecoraro
    フランス/5分46秒/2022年
  • パピローラ
    Papirola

    監督:Fabián Molinaro San Martín
    スペイン/7分00秒/2022年
  • 森の支配者
    The Forest King

    監督:Lubomir Arsov
    カナダ/19分58秒/2022年

©Xu Ran.All Rights Reserved.
©Rodeo FX
©Galia Osmo
©ESMA
© School of Animation and Digital Arts, Communication University of China
© MARZA ANIMATION PLANET INC.
©CHEN, YU-CHING / DING, CAI-QI
©MoPA
©Fabián Molinaro
©Ghost Train Productions Inc.

スロット3  大人向け

≪フェスティバルディレクターからのコメント≫
考えさせる、ということで大人向けです。タイトルと映像を観て考える、知的ゲームのようなものです。作者の手口にはまらないよう、気を張りつめて観て下さい。1回ではなく、2回観て頂かないと謎の解けない作品もあるかもしれません。お楽しみに。

  • 好ましからざるリエゾン
    Inglorious Liaisons

    監督:Chloé Alliez, Violette Delvoye
    フランス・ベルギー/11分02秒/2021年
  • 9時のお葬式
    Funeral at Nine

    監督:Mamadou Barry, Rodrigo Veras, Wang Ziyu, Xiang Junhao, Yu Wang, Zhou Linfeng
    フランス/5分57秒/2022年
  • 出口
    Exit

    監督:Artur Muharremi
    フランス/6分30秒/2021年
  • 山羊の呪文
    A Goat’s Spell

    監督:Gerhard Funk
    ドイツ/9分00秒/2022年
  • 好奇心
    Curiosa

    監督:Tessa Moult-Milewska
    イギリス/9分30秒/2022年
  • 私の愛しい子
    My Dear Son

    監督:Wing Yan Lilian Fu
    香港・イギリス/8分57秒/2022年

  • The Umbrella

    監督:Claire Ledru
    フランス/15分30秒/2022年
  • 目に見えない
    The Invisible

    監督:Winand Mey
    南アフリカ/4分22秒/2021年
  • 国境
    The Borderline

    監督:Christian Arredondo Narváez
    メキシコ/7分45秒/2022年
  • ドッグ・アパート
    Dog Apartment

    監督:Priit Tender
    エストニア/14分07秒/2022年

©Vivement Lundi !
©Gobelins, l’école de l’image
©ARTUR MUHARREMI
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